1952-07-25 第13回国会 参議院 本会議 第69号
朝鮮で干渉戰争が始りますと、日本の單独講和という問題が上程されまして、サンフフンシスコ会議という猿芝居が計画され、これに飛び付いて、自分の政権の存続と発展をつかもうとしたものが吉田総理大臣であり、各閣僚諸君であつたことは、今や国民の周知の事実であります。
朝鮮で干渉戰争が始りますと、日本の單独講和という問題が上程されまして、サンフフンシスコ会議という猿芝居が計画され、これに飛び付いて、自分の政権の存続と発展をつかもうとしたものが吉田総理大臣であり、各閣僚諸君であつたことは、今や国民の周知の事実であります。
そのためにじやまになる朝鮮干渉戰争なんかやめちまえ。アメリカ軍を朝鮮と日本から撤退させように、国民の力を統一して鬪おう。世界と日本に必要なことはこのことだけだ。これを妨害する、買弁化した自由党吉田政府は、日本の各所にその暴力的権力を日ごとに乱され、治安の混乱、政治的不安の中に……。
勤労大衆には最低生活費さえ與えられず、人殺し、戦争商人、少数の内外独占資本の利潤は、朝鮮干渉戰争と、気違いじみた軍拡のために厖大な額に達したのではありませんか。日米両條約と行政協定は、実はこれら少数の日米反動の取引にすぎなかつたものであります。(拍手) 日本の労働者は、大小無数の米軍基地に取巻かれた軍事工場で、銃口の監視のもと、文字通り奴隷の労働を強制されております。
ウオール街を先頭とする国際帝国主義者は、朝鮮の干渉戰争に大敗北を喫したことに性懲りもなく、その世界制覇の夢を捨てるどころか、ますます軍拡に狂奔しておるのであります。戰後米国予算に計上された軍事費総額は、実に千八百億ドルという史上未曾有のものでありますが、約その半額九百億ドルはまだ使われないままに棚ざらしになつておるのであります。だがウオール街の主人公たちは血眼になつておるのであります。
こうした現段階におきまして、なぜこのような軍事費が必要なのであるか、日本の防衛といい、安全保障というのも、すべてがウオール街の戰争屋どもによりまして昨年夏仕組まれた朝鮮干渉戰争を理由として、国内の不安を煽り立て、輿論を形成してのことではなかつたか。然るに今、休戰が実現せんとするのに、軍備はいよいよ強化され、国民負担はますます重くなろうとしておるのであります。この矛盾の真の原因は一体何であるか。
然るに明らかに朝鮮では、朝鮮が朝鮮に侵入するという、論理的にも理解すべからざる、歴史的にも許し得ない、そういう妙な言葉で以て内政干渉戰争が行われておるではありませんか。私はこの点について総理が、朝鮮が朝鮮に侵入しておるなぞということを正気であなたがしておられるか、先輩幣原の考えとあなたの考えとはどういう今変化が来ておるか、これに私はお答えを願つて最後の一つの質問にしたいと思います。
最後に結論といたしまして、この予算は戰争予算であるということを指摘しなければなりません、何ゆえならば、吉田内閣の朝鮮の内戰に対する干渉戰争への協力を初め、單独講和による日本の軍事基地と軍事産業の復活、再軍備を通じての日本を国際帝国主義のアジアにおける前進基地にしたてるあらゆる政策がこの予算の中に如実に盛り込まれているからであります。以下数項にわたつてこれを指摘してみたいと思います。
干渉戰争のために使われておるとすれば一体どうなるのか、こう聞いておるのであります。私はこの点に関し、内閣総理大臣に明確な答弁をしてもらいたいと思いますと書いてあるのであります。これは当然の質問です。また国民はこういうことを明らかにしなければ疑惑を持つ、疑問を持つ。こういう点を明らかにすることこそ国会の責任であります。国政審議の当然のことであると思う。